管理画面テストを兼ねています……
胸が痛いのはなぜだろう。
今まで知らなかったのは、自分が知ろうとしなかったからなのか。
それとも、ただ、俺の目の前にあいつがいなかったからなのか。
知らなかったから、強かった。
知ってしまって、弱くなった。
極端な例を挙げれば……なんて言っていいのか分からない。――他の女と何が違うのか、箇条書きにするのならいくつでも言えるけど。
俺に平気で刃向かってくるとか、口だけじゃなくて本当に女とは思えない体力だとか、信じられないぐらい大食いだとか。――そして、母の着物のひるがえった隙間から見えた肌の色。そうか、やっぱり、女なんだなと思ったこととか。
やっと思いが通じたのに、夏の風といっしょに一度失ってしまったこと。
胸が抉られる。
そしてまた、あいつは手紙ひとつだけ残して消えてしまった。
こんなに自分が弱い人間だとは知らなかった。
もう、理由もなく自分が強いのだと、少しは特別な力を持った人間なのだと勘違いすることは二度とない。こんなに弱くて、こんなに失うことを恐れている。
(春海へ。当分帰らないけど、心配しないでね)
どこにいるんだ?
どこに行ったんだ、たったひとりで。理由も言わずに。
俺が笑って待っていられると思ってるのか?
どこに行ったんだ。
どこに行こうと、俺はおまえを見つけてみせる。どこに逃げようと絶対に離さない、と、いちいち言葉で言わなきゃおまえは分からないのか。
分からないなら――まだ分かっていないのなら、今度こそ証明してみせるから……
もう今は深い秋で、風が冷たい。
夜空も暗く、見上げてもそこには何もない。
何も映らない、眠れない。
弱いから、俺は、本当におまえにだけは弱いから――
祈るだけだ。
理由なんか後でいい、叱りつけるのだって、安心してからでも遅くない。
確かめてからゆっくり怒鳴ってやる。いつまでふらふらして俺を困らせるつもりなのか、問い詰めてやるよ。
だから……だから……
だから待ってろ、すぐに見つけるから。
[25回]