雑記カテゴリーですが、ネタはワープです。
最近、新しい筆ペンを下ろしたので慣れるためのテストです。
新しい筆ペンはちょっとインクの出が激しすぎて濃くなってしまうので、筆圧というか勢いでらくがきしてしまう私にとっては厄介な代物です。
春海の髪ベタを見ると一発で、その時の筆ペンの調子が分かってしまう。
筆とか下ろすとか、字面だけを見ると落ち着かない気分になりますが……
錯覚ですねきっと。
◇
やっぱり似合わないのかなあって、ちょっとがっかりしながらドアの前で待っていた。
しばらくして春海が出てきて――出てきたのにずっと黙ってるから、あたしは仕方なく「似合ってないからびっくりしたよね、ごめん」と笑ってごまかした。
「……」
「あたしが着なきゃ、すっごく可愛く見えたんだけどさ……」
「そういう意味じゃなくてだな」
「……」
「なんで、似合ってないって俺が思うなんて――思うんだよ?」
「えっ、だって……」
ひらり、とやわらかい布が流れ流れて、あっという間に空の上。
春海はあたしをひょいっと抱き上げて、濡れた髪のまま――早く乾かさないと風邪ひいちゃうよ!――あたしを見つめる。
「可愛いじゃねえか」
「だ、だって、じゃあなんで変な顔してお風呂に逃げたの?」
「心の準備が出来てなかったから」
「えっ、そんなの要るの? だって先に言っちゃったら……どんな顔するかなあって楽しみがなくなっちゃう……だめ……だめ、春……」
わあ、どうしよう。
まだキスだけなのに、まだ何もしていないのに……
爪先から頭までしびれたみたいに熱い……
ふんわり、地上に下ろされたと思ったらそこは地上じゃなくて海だった。
覆いかぶさってくる春海の頬をなでて、あたしはもう一度聞いてみる。
「あのさ、少しぐらいは似合ってるって思う?」
「――これ買う時、迷った?」
これ、と言いながら胸のリボンを突いてくる指。
「えっ……う、うん。かなり……一時間以上は売り場にいたかな……?」
「俺がどんな顔するのか楽しみだった?」
「そ、そりゃあ……だって春海しか見ないんじゃん、これ」
途方に暮れてあたしは答える。
そりゃあ、そうでしょ!
こんなの、他の誰に見せるためにわざわざ買うって?
父ちゃんが見たら卒倒するよ、あたしのこんな恰好。
母ちゃんが見たら多少は面白がってくれるかもしれないけど――だけどねえ、やっぱり、こんなの買っちゃったって母親に見せびらかすようなもんじゃないよ、これは!
「だから……」
「分かった。もう分かったから」
いたずらな手が何度もあたしの肩をなでて、紐を引っ張って遊んでる。
「……あのな」
「うん?」
「可愛いし、似合ってる。だけどさ、売り場で何時間も迷ってるおまえがいちばん……かわいい」
そうして、そこは天国になる。
春海は努力をしたみたいだった――せっかくの天使みたいなドレスを脱がさずに、その……あの、目的を完遂しようと――でも、やっぱり最後に耳もとで、声。
とっても甘く。
「俺にとっちゃおまえのからだ全部が武器なんだけど――おまえ、それを知ってた?」
[10回]