「ええと……皆さん、とりあえずお久しぶり。夏休みシリーズ前半で帰京しちまったんで、今やすっかり忘れ去られてしまった俺は東条巧巳です。小林りり子はヒイヒイ泣きながら作業中、楽屋いるかと楽屋春海は――俺は、出番がない話の台本は一切渡されてないんで事情がまったく分からねえんだけどよ――ケンカしてるって訳でもないけど、えらく静かで会話しねえんだよ。……ということで、わたくしが司会進行を務めさせていただきますって寸法だ。このセリフ、一気にしゃべってるんで改行なしの段落なしでいいのかよ? 目に優しくないんじゃねえの?
……ああ、はいはい分かった。小林が『うるせえ、小説のセリフ部分で改行や段落ついてる方がおかしいんだよ! キイーッ』とか言いながらも改行したみたいだ。まあ俺は割り当てられた仕事をやるだけなんで……えっと……そうそう、アンケートだアンケート。新たなタグを取得をしてコピペする手間も惜しいってんで、記事中でアンケ企画らしい。
小林が質問したいことは、これだ。――ズバリ、『修学院の学ランは、ファスナー式なのかホック式(フック)なのかどっち?』という疑問が以前からあったんだとさ。
俺は修学院の制服を見たことねえけど、ボタンじゃないみたいだな。前開き状態もほとんど作中で描写されていないが、『ウェストサイド、いるかマリアのお化粧にドッキン★』のくだりで春海の野郎が学ラン全開にしてるらしくて……あれを見る限りはファスナーっぽいが……でも何で留めているのか決定的な根拠が不明なので、以下の選択肢からのアンケート受付中。回答はお気軽に伝言板でもコメント欄でも、ということだそうだ」
その1:ファスナー 【2票】
その2:ホック(フック)
その3:マジックテープ(ベリベリはがすやつ)
その4:糊
その5:気合い
その6:その他 【
内側がホック、外側がファスナーに1票】
「あのなあ、無理してオチをつけようとするんじゃねえよ。いいから早く、さっさと夏休みを終わらせて二学期にしろっつうの。話は進んでるみたいなのに台本読ませてくれねえから、俺としちゃ困るんだよな。――なあ、なんであいつら、あんな無言なの? なんでいつもみたいに楽屋裏トークしねえの? 俺たちが東京に戻ったあと何かあったの?――まあ、何があっても俺は驚きゃしねえけどよお……」
同日同時刻、ACT2-31の楽屋裏。
「……」
「……」
「あの……いつまで寝てればいいの? あたしたち……」
「あと一行書いたら起こされるはずなんだが、その一行が……」
[12回]