体がじめじめして憂鬱になるけれど、何も言わない。
外に出たくてたまらなくなるけれど、あたしは愚痴を言わない。
ただひたすら、いつもと変わらず楽しいふりをするだけ。にこにこ笑っていれば大丈夫。雨に対する文句なんて絶対言わない。
「もう、いつまで続くのこの雨! 家に居たってすることないよ!」
そう言おうものなら負けるから。
目を光らせて、機会を逃さず、彼は言うから。
「すること無いってことは、無いぞ」
あたしたち両方の家に同居人がいて、本当によかった。
そうでなければ、この人は梅雨のあいだずっと──大学へ行き来する以外では──離してくれないんじゃないだろうか……
いろんな意味で、早くお天気になあれ。
[9回]