ここでいきなり、お見合い後にワープしてしまいます。
単なる自分メモのつもりが、春海が滔々と喋り出したので一応まとめました。
たまに彼女の家とか、俺の家でも夕食をいっしょに摂ることがあって――見合い前よりも、そういう機会は確実に多くなった――食後にテレビを見ていると、かなりの確率で野球を見ることになる。
甲子園か。やっぱり一度は行ってみたいよな。
こればっかりは……東京がどれだけ大きくても、選択肢が多い町だと言っても太刀打ちできない魔力がある。
そう言えばラグビーの聖地も大阪だな。
まあ、でも東京は東京で、武道館ってものがあるからなあ。
そういう意味では、サッカー全国大会で進が国立に来る、なんてこともいつかあるかもしれない。
「好きだからって言っても、毎日仕事で野球するって大変だろうねえ」
いるかが、テレビ画面に釘付けになりながら言った。
ちょうど2ストライク3ボールの場面で……俺も一瞬、返事をするのを遅らせて成り行きを見守った。
結果、ストライクでバッターアウト。
「確かに大変だけど、プロになったらそれが仕事だからなあ」
「春海は、そういうの興味ないの?」
「……」
奇妙に真剣な声で、それでも表情は屈託がないもんだから、こっちはいきなり質問をされて面食らってしまう。
「興味も何も、甲子園に行けるかどうかも分からないってのに」
「ピッチャー、山本! ピッチャーなのに逆転ホームラン!」
実に楽しそうにいるかが言う。如月のお母さんがその場にいなかったので、俺はついこう答えてしまった。
「おまえさ、いるか」
「うん?」
「……プロ野球選手の妻になりたいのか?」
試合どころではなくなって、真っ赤になって慌てふためいている彼女の方がテレビ画面より面白い。
夢は大きい方がいい、それはその通りだろう。
だけど俺は今のところ、壮大すぎる夢よりもこの春を楽しむことを選ぶよ。
何しろ、四月になれば、四月になれば……って、ずっとずっと呪文のように思っていて……今まさに時は四月。
実質的に「約束を交わした」相手がそばにいる……
それ以外の夢なんて、とりあえず、今の俺には思い浮かばない。
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絵で思いついたネタを文章にしてしまうと、今いち(自分の中で)面白くなくなる……
しかも、絵で思いついたとは言っても、ノートが切れているので実際に形にした訳でもなく、まさに脳内コント状態です。
ところで、「たとえばこの風の中~」後編で、かなり煮詰まっている最中です。
連日の蒸し暑い空気にもかなり影響されています……
それでも、ちまちま毎日なんとか書いてはいますので、今しばらくお待ち下さいませ。
[8回]