埋もれていた再読直後のらくがき帳とか、A4コピー用紙に書きなぐったものを読み返したら春海が(今よりも)けだものっていうか、普通の男子というか……
とにかく、超人スペック男とは思えない、ごくごく普通の言動をしています。
プロットを描いたのが再読直後なので、私の中でまだキャラクターが固まっていない感じ。いるかも本当に、ごく普通の女の子だし。
いろいろと、乾いた笑いが漏れる夏の夜。
[8回]
「おまえ、肌出しすぎ」
夏だから当たり前じゃん。
何をひとりで、深刻な顔をしてるんだろう?
せっかく遅刻せずに会えたのにさ。
もともと老けた……じゃない、いくつも年上に見える顔してて、大人みたいで、いつもあたしの引率の先生みたいな春海だけど……
あたしの、あたしの……ええと、彼……っていうのかな……
彼氏って言えばいいのかな……
とにかく、そういう人。
ねえ、こうやって私服で、東京の真ん中で会ったりすると、時々あたしだって考え込んじゃうんだよ。春海が今、何を悩んでるのかは知らないけど。
あたしはね、あたしは……
春海がかっこいいのは分かってるし、春海は自分でもそのことを絶対知ってるよね。
だからね、ちょっと考えちゃうんだよね。
本当にあたしでいいのかなあ、なんて。
「いるか」
「うん?」
「――いや、何でもない」
「……?」
とりあえず、暑いからと入った喫茶店……じゃなくて。ファーストフードのお店の中で、まわりの女の子が春海を見ているのが分かる。
さっきからずっと春海のことばっかり話してる。
「あの子すごいかっこいい」
「本当、すげえハンサム。しかも背が高い!」
ついでにあたしのこともね。もう、こういうのもそろそろ慣れてきたけどね。
「でも、向かいにいる子って彼女?」
「妹でしょ」
「彼女じゃないの、やっぱり」
慣れたけどさあ……
ちょっと笑いたくなった。いっしょにいても、彼女かどうか周囲にはよく分からないらしいあたしの存在。――まあ、あたしはあたしだから、変われって言われても変われない。
春海もそんなこと言わない、だからそれでいいと思……
「……!」
信じられない、信じられない、信じられない!
こんなところで何すんのよ!!
女の子たちが騒ぎ立てるのが耳に入ってきた……
うそ、やっぱり彼女じゃん……とか。
何よあれ、信じられない、とか……
そうだよね、あたしも信じられない。
それだけは同意しちゃうよ。いくら、かするぐらいの……って言ったって……
キスはキスだよ、信じられない。
「痛い」
「……」
「ヒリヒリして痛い」
「……」
「いるか、ごめん」
「あとで謝りゃいいってもんじゃないよ!」
あたしが引っ叩いたので、頬を押さえながら春海がついてくる。
「そういうの卑怯だよ! いきなり!」
「……ごめん」
「……」
「なあ、怒るなよ」
「……」
「黙ってたら、またキスしたくなるかも……」
あたしは思わずびくっとした。
ずるい、ずるい、ずるいなあ。
脅迫するんだ……
(いえ、そうじゃありません。脅迫してどうにかなる女なんていらねえし……)
◇
キャラクターが固まっていないネタなので、今改めて文章にすると無理があるなあ。
とりあえず、今の脳内春海さんは人前では(一応)冷静な人です。
だけど一方、原作でも暴走する時は暴走する奴だし……全校生徒の目も憚らず本気で抱きしめるような男だからなあ……
まあ、あれは非常事態ゆえのイレギュラーなんですけどね。
この、再読直後の初期衝動プロットは、かなり形を変えて「愛が重いの」「理由なんかないよ」という記事になっています。

ついでに、再読直後(再読当日かも)のらくがき帳より、私の感想。
いるかって頭がちょっと短絡的なだけで、あとはまったく普通の、ごく普通の女の子だよな。
むしろ春海を意識するのが早い。
春海は浴衣からか? マザコ……(←ここで字が止まっている)