「演劇部とは別に、有志で舞台をやりたいって言ってるの。――もちろん文化祭でね、小さいサークルだけど歴史研究会ってあるのご存知でしょ? 生徒会長さん」
「とりあえず話は全部聞こう、話だけは。さあどうぞ、坂本さん」
「世界史も日本史もごちゃごちゃなんだけどさ、まだ今の段階では。あ、あたしは関係ないんだけどね、あたしの友だちのお姉さんがそこに所属してて――友だち経由で頼まれちゃってねえ。お姉さんって三年の先輩だから、断れないでしょ」
「……」
「それで、いるかちゃんに特別出演してもらいたいって、もう是非にと」
「……」
「有力候補は、世界史グループはペルシャものをやりたいって言ってて……いるかちゃんは天使ジブリール。あ、あたしがわざわざ注釈をつけないと分からない山本くんじゃないと思うけど、ジブリールはいわゆるガブリエルのことよね。慈悲の天使ジブリール、預言の天使」
「……」
「日本史グループの一押しは新選組なのよ」
「……」
「いるかちゃんに沖田やってほしいって。いちばん小さいのに最強の剣士っていうのが絶対受けるって自信満々で……」
「……」
「もし良ければ山本くんには土方やってもらいたいって言うんだけど、あたしがそれはだめって突っ返したの。ただでさえ忙しい会長に、舞台に出てなんて悪くって言えないじゃない?」
「……」
「そうしたら、じゃあ土方は東条先輩に依頼しようかって案が出て、それにみんなが乗っちゃって――演目を決める投票のために世界史と日本史それぞれが仮台本ってのを書くらしいんだけど、土方はもう東条先輩のイメージで――」
「……包囲網を作るのが趣味なのか? 坂本さん」
「あらあ、何のことだかあたしには分かりませんね」
「……巧巳は剣道やったことないはずだけど」
「でも、演技だもの。実際やったことがなきゃ剣の演技できないって訳でもないでしょ? そりゃあ剣道日本一の山本くんなら、演技とは思えないぐらい強そうな土方になるだろうけど……それに、沖田をいちばん可愛がったのは土方だもんねえ……」
「……天使でも剣士でもいいけど、完成台本が出来てから交渉しに来てくれないか? 坂本さん……」
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高1文化祭を(結果的に)端折ってしまったので、高2文化祭は一応なにか書くつもりでいます。別にどうしても演劇しなくてもいいとは思うのですが、二人とも学校のスター様だからねえ……
でも、まだ私も天使か剣士か演目を決めていません。
今後また演らせたいものが変わってくるかもしれません。
[18回]